木魚歳時記第4664話

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 この書の稿本を受け取った兼実は、
「最初、念仏をさとすの説き起こしから、わたくしへの終わりのお戒めのお言葉まで、再四拝読して至らざるなき御教訓、骨身に徹して総身に極まりなきよろこびを覚えました。二河白道(にがびゃくどう)の善導のお言葉を親しく拝して己が心の有様、特に『中間の白道四五寸・・能く願往生の生ずるに誓ふ』の句はわたくしに願心の起る瞬時を照らし出し、こう如実にこれを存じたからには、の早いかなる迷いも起ることなしと思い取りました。鍵穴に鍵を差し入れたかの感じ、信はもう決して狂いませぬ」
(佐藤春夫『極楽から来た』)1302ー2

        嫁叩き桃から生れた桃太郎  生(あ)

 「ボクの細道]好きな俳句(2401) 野見山朱鳥さん。「寒雷や針を咥へてふり返り」(朱鳥) さて「咥」(くわ)へとは、歯で支えるの意味でしょうか。時ならぬ寒雷に驚き、針を口にくわえたまま、いなびかりの方を見たというのです。なぜか「いなびかり北よりすれば北を見る」(橋本多佳子)さんの名句も思い出しました。

正直を友とす 
(石川 洋)