木魚歳時記第4331話

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  彼は大文字山の南麓、鹿谷(ししがたに)に、山荘を持っていた。鹿谷の山荘は、平素は主も住まず、また人里の遠いままに、院の寵死臣たち、いつぞやは法然が隆信に肖像を写させた日、蓮華法院の法話の席上、上皇に陪従していた人々である。うわさを聞いた法然は彼らを思い出した。
(佐藤春夫『極楽から来た』)982

      婆さんは休みやすみに落葉掃く

 「ボクの細道」好きな俳句(2071) 永田耕衣さん。「美しくかみなりひびく草葉かな」(耕衣) 「かみなり」は雷、つまり、ゴロゴロさんのことでしょう。恐ろしいカミナリさまも、草葉を驚かせないように、優しく(美しく)鳴るようです。春の雰囲気が響きあって気持ちのいい作品です。

  わしのこころは、くら(闇)めのくらめ、
  くらめとられて、なむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)