木魚歳時記第4325話

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 明雲を奪還されて大事のあっさり去ったのを知った院方は、今さら明雲を殺すともせず、彼は山をおろして蟄居(ちっきょ)させたままで、今は僧兵団の力を借りず、非常手段で、直接に平家の覆滅に乗り出した。
(佐藤春夫『極楽から来た』)976

       妻恋へば転んで見せよ三十三才  三十三才(みそさざい)   

 「ボクの細道]好きな俳句(2065) 永田耕衣さん。「空を出て死にたる鳥や薄氷」(耕衣) 魚は浮く。鳥は落ちる。ヒトは「ごねる」とか。渡り鳥(冬鳥)は、北から渡ってきて暖かい日本で営巣します。なのに、誤って「薄氷」(うすらい)の中で「いのち」の尽きた渡り鳥があったとするなら・・シリアスな作品です。

  このあさましさが、なんぼきいてもあさましや、
  いまわ、ろくじのもらいきり。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)