そうして以上の四項目ばかりでなく院の山門討伐の事まで、声を大にして宣伝しはじめた。こな宣伝で威嚇される山門でもないことはよく知っている。しかし、これには別に目的があったので、山門討伐の名によって兵を集め兵を挙げて、六波羅を襲撃しようというのが真の目的なので、そのため、しばらく注意を山門に向けさせて置くのであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)963
アメフトと雨と雨とあめんぼと
「ボクの細道]好きな俳句(2052) 永田耕衣さん。「馬鈴薯の顔で馬鈴薯堀り通す」(耕衣) 「馬鈴薯の顔」とは言い得てぴったりと安らぎを覚えます。馬鈴薯掘りにしろ、蓮根掘りにしろ、土に埋もれた作物には滋養が多いといわれます。ふと、泥まみれで、鈴薯を掘る才一さんのお顔が浮かびます。
あさましの、ざんぎするとき、
このしゃばで、ここで、ざんぎをすりゃほとけ。
なむあみだぶつ、なむあみだぶつ。
『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)