木魚歳時記第4237話

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 式場の入口には諸方からお祝いの献納品が積み上げてあったが、それとは別に今日お招きを人々から、院に御馬を十頭、平あやの移し鞍を置いて献上した。
 近衛の舎人(とねり)たちが綱を引き、殿上の衛府、左中将知盛(とももり)、中宮亮重衡(しげひら)、左少将資盛(すけもり)や番長以上の者が口を意気昂然たるものがあった。所がらもわきまえず牧同然にいななき勇むものもあった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)894

        蟻の列ああ忙しいいそがしい

 「ボクの細道]好きな俳句(1979) 岡本 眸さん。「六月や草より低く燐寸使ひ」(眸) 田の雑草を刈り燃やすためでしょうか? まさか、作者が、虫除けの防虫材に火を灯そうとマッチを・・ではないか? さて、蟻は、エサを見つけると、フェロモンを出して仲間を呼ぶとか? つまり、蟻たちは仲間の出すフェロモンをたどっている。ところで、つまるところ「蟻の列は、何処に行こうとするの?」。それは「極楽から来て極楽に還る」のです!

  うれしさわ、をやにまたれて、
  わしやまつばかり、
  まつもたのしみ、またれるも。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)