木魚歳時記第4224話

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 (三)院と門院とは予定のとおり四新涼とともに熊野詣でから還御(かんぎょ)あったが、この一夏の草枕はおん壮齢の門院にさえ過重なる努力であったと見えて、その疲労は都にお帰りの後も久しく抜け切れなかった。後にして思えば、これはただの疲労ではなく、ご病気の潜伏期であったらしい。
(佐藤春夫『極楽から来た』)881

        托卵と知らず巣ごもり始めたり

 「ボクの細道]好きな俳句(1966) 岡本 眸さん。「亡き夫の下着焼きをり冬の鵙(もず)」(眸) 残された者が、相棒の所持品をどのように始末するか? それは、そのときがくるまでわかりません。男性と女性では、始末の傾向(パターン)に違いがあるようです?(汗)。さて、郭公(かっこう)の類(たぐい)は、托卵をします。托卵と気が付かず、郭公の大きな卵を抱いて「巣ごもり」する小鳥さん立派。

  あむあみだぶに、まいらせて、
  し(死)なずにまいる、なむあみだぶに。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)