木魚歳時記第4159話

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「おやおや、それはごきんとうさまに、ありがとうございます」
 と老女は少し笑いをふくんで、
「こう老いぼれましたので、往生のお話は、その時より今の方がもっと重宝になりましたよ」
(佐藤春夫『極楽から来た』)822

   たちまちに巨きな「ぎぎ」の釣れにけり  「ぎぎ」= 権瑞(ごんずい)  

 「ボクの細道]好きな俳句(1905) 鈴木六林男さん。「夜咄は重慶爆撃寝るとする」(六林男) 満州事変(1931年)のことでしょうか? それはともかく「夜咄」(よばなし)は冬の季語です。茶事懐石の語らいにかぎらず、農家などで長い夜を囲炉裏を囲んで、夜話に時を忘れる。優雅な夜の過ごし方です。ところで、民泊の時、艶っぽい夜話の気配で聞き耳したのは・・誰でしたっけ(笑)。

  ぶつのこころわ、ふしぎなものよ、
  めにわめゑね(見え)ど、はなしができる。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)