「まだしかとは決めて居りませんが、いささか知るべきもあり、行って相談してみて、西山のほとりをどこか捜してみましょう」
「嵯峨野の秋は聞くからにたのしいの」
「それに時々釈迦堂へお参りもできます」
(佐藤春夫『極楽から来た』)815
さへづりの遠い神話をきくやうに
「ボクの細道]好きな俳句(1897) 野見山朱鳥さん。「双頭の蛇の如くに生き悩み」(朱鳥) 「双頭の蛇」の仏教説話があります。頭が二つある蛇がおりました。この蛇が樹上で移動する時、一方の頭が右へといいだし、他方の頭が左だとゆずらず、結局、その蛇は地上に落下しました。さて、句作者の悩みも尽きないようです。
いくたびも(幾度も)、むねをいためた。
いまわ、ろくじに、こころとられて。
『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)