木魚歳時記第4012話

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 蓮華王院は千手千眼(せんじゅせんげん)観音像一千一体と二十八部衆とを安置した長大な仏殿で、これは以前、忠盛が天承(てんしょう)元年三月十三日、鳥羽法皇の御願を奉じて造建した得長寿院の先例を追うたものであった。というのは得長寿院は、忠盛の昇殿の契機、平氏進出の機縁となって一門に縁起のよい仏殿であったからである。
 こなところに父忠盛のやりかたを学んだばかりでなく、清盛はまた父の事業であった海外貿易をつづけるのも忘れなかった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)685

          綿虫の膨れたりまた萎んだり

 「ボクの細道]好きな俳句(1759) 秋元不死男さん。「ひらひらと猫が乳呑む厄日かな」(不死男) 「厄日」(秋季)は二百十日、二百二十日など、農家の収穫に影響を与えるような天候不順のことを指すようです。それはともかく、子猫は、母乳を飲むときに、母親の乳房をリズミカルに押す習性があります。母乳の出をうながす本能なのでしょう。その子猫の肉球の動きを「ひらひら」と表現したところが秀逸です。

 鹿8 「僕の方は、君の好きな草を、自分で手づから君に食わせてやる。すると、君は、散歩でもするような足取りで、僕の鉄砲をその角の枝に掛けたまま運んで行ってくれるんだ」