木魚歳時記第4001話

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 この蓮華王院の落成に当たって、長寛(ちょうかん)二年十二月十七日、その供養のため、上皇は天皇の行幸を仰ぎ、また寺司のための鑑賞を願ったところ、その二つともに勅許がなかったので、上皇はどれほど無念に思し召したことか、その返事をもたらした使者の面前で、
「何の憎さに、何の憎さに」
(佐藤春夫『極楽から来た』)674

        山奥にぽつんと一つ秋灯

 「ボクの細道]好きな俳句(1748) あざ蓉子さん。「にわとりも昼の真下で紅葉す」(蓉子) 真紅は、トサカのあざやかさを連想して巧です。この作者の、語彙(ごい)の鮮やかと「取り合わせ」のユニークさは絶妙です。つまり「昼の真下」のことです。これは誰にでも真似するわけには行きません。才能があるからできるのです。

 猿(さる)8  重たげに有史以前の思想で目方のついている犂牛(ヤーク)を見に行ってやりたまえ。麒麟(きりん)は鉄柵の横木の上から、槍(やり)の先につけたような頭を覗かせている。