木魚歳時記 第3749話 

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 美福の四の宮支持は、この養い孫守仁の登極の日を期待したので、四の宮支持は実はその準備工作にしか過ぎぬ。だから四の宮雅仁新王が後白河天皇になると同時に、守仁を皇太子に立てた。それがまた新院を絶望させ、憤激させた。四の宮はまだ若い。そのうえ永代までの決定では、重仁新王は生涯埋もれ木の運命である。陰忍(いんにん)しつづけた新院のお気持ちは今や一触即発の危機を孕(はら)んでいた。折しも本院の崩御で、新院は最後の御手段に出た。
(佐藤春夫『極楽から来た』)443

       さつきから雲雀がしきりに啼いている  雲雀(ひばり)

 「ボクの細道]好きな俳句(1499) 安住 敦さん。「恋猫の身も世もあらず啼きにけり」(敦) 恋猫の「身も世もあらぬ」とは、おなじみのあの叫びです。あの二人(恋猫)は、いつも天辺の剣が峰を渡りながら恋を貫きます。さあ、もうひと眠りいたしましょうか!

ルナール著『博物誌』(岸田国士訳)

(序)影像の狩人1 朝早くとび起きて、頭はすがすがしく、気持ちは澄み、からだも夏の衣装のように軽やかな時にだけ、彼は出かける。別に食い物などは持って行かない。 みちみち、新鮮な空気を飲み、健康な香りを鼻いっぱいに吸い込む。獲物(えもの)も家へ置いて行く。