「いつまでも別れたくないお身たちだのに、会者定離(えしゃじょうり)の掟(おきて)きびしく、これが今生(こんじょう)の別れのように思われるこころぼそさに、言いの遺すをよくおぼえておいてくれ。
(佐藤春夫『極楽から来た』)74
分校のなまけ時計や遠蛙
「ボクの細道]好きな俳句(1118) 飯田蛇笏さん。「ながき夜の枕かかへて俳諧師」(蛇笏) やや、自虐的にも取れる作品です。これまでご紹介してきた作品群と比べると、別人の作品かと錯覚しそうです。人間の抱く心情は万事「裏表」の関係にある・・と、そう思えばそれまでのことですが。