木魚歳時記 第3355話

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 得物といっても本式の物の具を持っているのは定明のほかはわずかに五人有る無しで、多くは鎌や山刀(やまがたな)の烏合(うごうの)の農民たちであった。その人数はおおよそ五、六十人、それが二手に分かれて、一隊四十人あまりは先発し、たいまつをかざして山地に向かった。残りは別働隊となり、定明に率いられ街道筋から行く、人数は少ないがこれが主力らしい。
(佐藤春夫『極楽から来た』)60

      月光の万頃に降り摂取不捨   万頃(ばんけい) 

 「ボクの細道]好きな俳句(1105) 川崎展宏さん。「冬瓜を提げて五条の橋の上」(展宏) 童謡「♪ 京の五条の橋の上 大のおとこの弁慶は 長い薙刀(なぎなた)ふりあげて」を思い出します。現在、五条大橋には、牛若丸と弁慶の石像が飾られています。それにしても、薙刀(なぎなた)の代わりに「冬瓜(とうがん)を提げ」とは、楽しいことばを見つけられたものです。