木魚歳時記 第3182話

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「今日のことば」
   なめとこ山あたりの熊は小十郎をすきなのだ。
   その証拠に熊どもは小十郎がぽちゃぽちゃ谷をこえたり
   谷の岸の細い平らないっぱいにあざみなどの生えてゐる
   ところを通るときはだまって高いところから見送ってゐるのだ。
    (宮沢賢治「なめとこ山の熊」)3

  「ボクの細道」好きな俳句(931) 永田耕衣さん。「薪在り灰在り鳥の渡るかな」(耕衣) 山国では、はやくも暖炉の火が恋しい(といより必要か?)。寒い期間に必要な薪(たきぎを)は、納屋横の壁面などに天井にとどくほど準備してあります。そして暖炉に火が入り、残り火の灰が赤々とする頃になると、冬鳥たちが北の国から渡って来ます。いよいよ「鳥渡る」冬の到来となるのです。

       草原をこの世と思ふばつたかな