木魚歳時記 第1684話

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  やはらかき母にぶつかる蚊帳の中  今井 聖

 ですから初学の頃は、なんの迷いもなく,文字の選択こそ句作の「いのち」と信じて疑いませんでした。そんなとき、偶然出会った一冊の本があります。それは、当時、前衛派の歌人として高名な塚本邦雄さんの<毒舌いろは歌留多>と副題のある『うつつゆめもどき』という書物であります。氏の語彙の百花繚絢、絢爛豪華さに圧倒されました。そしてたちまち「塚本イズム」の虜(とりこ)となりました。

    さういへば水着をつけた母しらぬ