2018-04-11から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第3394話

叔父は品々を取りそろえ旅のしたくをしてやりながら、道順や道中の心得などを子にさとすようにいいきかすのでである。柄こそ大きいが、定明はまだ世間見ずの十七歳であった。「心細かろう。わしが福渡まで見送ろう」「大丈夫です。ひとりで行けます。あとで…