ともあれ、この手紙一つあればと思った定明の夢は空しく、彼はいつまでも都の武士にはとり立てられそうにはない。しびれをきらして宗輔から頼長にも頼んでもらったが、それでもらちがあかない。 定明は額(ひたい)に押されたカインの烙印(らくいん)のため…
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