2018-01-13から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第3306話

戸のすき間から夜が明けそめて来た。朝になると帰るかと思った父は午(うま)の刻になっても帰らなかった。定明は海のようにはげしく揺れ動きながら低く垂れさがった雲の下を先ず田の面に出て風害を見たが、稲はあまり倒れていなかった。しかし作の悪いこと…