2018-01-11から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第3304話

こうして幾日を経たろうか、一朝、山の木々がすさまじくざわめく風音に目ざえた定明は、起き出でて朝の支度をすまして父を待ったが、いつまでも起きてこない父を怪しみ、行ってみると父の臥所(ふしど)はもぬけのからであった。山の木々はこの日一日中、定…