木魚歳時記第4126話

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 善導の『観経疏』(かんぎょうのしょ)に「一心ニ弥陀ノ称号ヲ専念シ、行住坐臥(ぎょうじゅうざが)次節ノ久遠(くおん)ヲ問ワズ、念々ニ捨テザル者、コレヲ正定(しょうじょう)ノ業(ごう)ト名ヅク、彼ノ仏願ニ順ズルガ故ニ」とある。原文三十四字を見て、法然は我と同じ思いの古人もあったのか。独り合点ではなかった。と四十三の彼はうれし涙のあふれるのをとどめ得なかった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)791

       冬の川あちらこちらに冬の草 

 「ボクの細道]好きな俳句(1873) 永田耕衣さん。「池の鯰逃げたる先で遊びけり」(耕衣)瓢箪(ひょうたん)で鯰(ななず)を押える禅画を、妙心寺の塔頭で拝見した記憶があります。さて、「冬の川」「冬の草」のダブリは好ましくない。わかっています! しかし、名句中の名句「一月の川一月の谷の中」(飯田龍太)を真似てみたかった! 季語は「冬の川」です。「冬の草」の生々しさを詠ってみたかった! 

  さいちや、をやまつ、
  をや、さいちゆ(を)まつ、
  なむあみだぶと、はなしゆ(を)して、
  をやのごをんを、ゆうてまつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)