こうできなことづくめでは、どんなすぐれた修法とて、万人にすすめるのには、不適当であろう。道場を持つこともできず、長く時間を費やすことのできない人や、病苦の人などこそ、最も念仏のような抜苦与楽(ばっくよらく)の行が必要なのだから。
(佐藤春夫『極楽から来た』)743
老いらくの嫉は罪か冬の蝶 嫉(そねみ)
「ボクの細道]好きな俳句(1823) 稲畑汀子さん。「君がため春着よそほふ心あり」(汀子) なんでもないことをなんでもないように表現して俳句作品ともなればこれに勝る幸せはないでしょう。それをいとも簡単にやってのけるのは、この作者が尋常の俳人でない証です。うらやましい。
さいちゃ六十五才になるよ。
いまのよのくれた(暮れた)わ、
さきのよのよあけなり。
『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)