木魚歳時記第4017話

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 暑やとて、おん小袖の御胸ひきあげてふたふたとあふがせ給ふ。
とこの女院の侍女の一人が記した文に見えるのも、ひきあげた御胸の色白く肉付ゆたかなのが同性の目にも「あな好もし」と感じたためであろう。
(佐藤春夫『極楽から来た』)689

        綿虫は吐く息よりも軽いので

 「ボクの細道]好きな俳句(1764) 大石悦子さん。「第九歌ふむかし音楽喫茶あり」(悦子) 京都の高瀬川四条下がるに、昔、ミューズという音楽喫茶がありました。戦後のベビーブームに年頃、つまり、ボクたちの10歳ほど下の世代が盛んに通った純喫茶でした。最近、懐かしくなり、訪ねましたが店はもうありませんでした。

 かわ沙魚(はぜ)5 私は彼を釣針からはずして、放してやる。
今度こそ、もうひっかかりはすまい。
彼はすぐそこに、私の足元の澄んだ水の中でじっとしている。その横っ広い頭や、頓馬(とんま)な大きな眼や、二本の髭がよく見える。