木魚歳時記 第3923話 

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 藤原多子(たし)というのは右大臣公能(きみよし)の女で近衛天皇の中宮であらせた尊貴な後家さんであった。二条天皇は同い年の多子の美を愛でさせ給い、周囲の諌言(かんげん)もお用いなく、経宗、惟方らの計らいでついに再入内した。今に伝えて「二代の后」と申すのはこの方である。
(佐藤春夫『極楽から来た』)604

         松ヶ崎小竹藪町虫の闇

 「ボクの細道]好きな俳句(1672) 橋 閒石さん。「銀河系のとある酒場のヒヤシンス」(閒石) 閒石さんの作品を拝見して思うことは、独創的なこと、それとなにより、洒落(しゃれた)た語彙の取り合わせが素敵なことです。つまり「銀河系」「酒場」「ヒヤシンス」とたたみかける絶妙の感覚です。一方、「奥方の部屋を飛び出す昼の虫 」(宇多喜代子)このどちらも、ボクの好きな両極端ですが・・なかなかたどりつけそうにありません。さて、松ヶ崎あたりにも、虫の声が聞かれるようになりました。

 鼠7(ねずみ) しかし、私は書くのをやめるわけににはいかぬ。で、彼に見捨てられて、いつものひとりぼっち退屈に落ち込むのが怖さに、私は句読点をつけてみたり、ほんのちょっと線を引いてみたり、少しずつ、ちびちびと、ちょうど彼がもねをかじるのとおんなじ調子で書いて行く。