木魚歳時記 第3893話

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 新院が讃岐から送ってよこされた血書ご直筆五部の大乗経さえ受けつけないで突き返したというのは、新院の不運をいたみ奉る世人の作り話で、決して後白河天皇の朝廷がした事実ではない。この経文は当時天皇のおん手から、よきに計らえとの勅とともに、元性法印の手元に送られた。その証もある。
(佐藤春夫『極楽から来た』)576

      とにもかくにもトイレマークを金魚玉

 「ボクの細道]好きな俳句(1642) 種田山頭火さん。「ぽろり歯がぬけてくれて大阪の月あかり」(山頭火) 山頭火さんの俳句に「月」がしばしば登場いたします。しかし「ぽろりと歯がぬけて」とは! なんともいえない無常感が漂います。山頭火さんも老いたのです。 「衆寶王菩薩のうつ鐃は 一仏乗をさんだんす」(梶原重道『菩薩曼荼羅』)

 羊(ひつじ)2 その群れは、道をいっぱいに占領し、溝から溝へ波を打ち、溢(あふ)れ出る。或る時はまた、密集して一体となり、ぶよつき、老婆のような小刻みな足取りで、地べたを踏みならす。それが駆け出し始めると、その無数の脚が蘆(あし)の葉のような音を立て、道の上の埃(ほこり)は蜂の巣をつついたように舞い上がる。