木魚歳時記 第3888話

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(四) 歌い暮らして何不足ないその日ごろの境涯に満足し切っていた四の宮にとって、この相談はむしろ迷惑なものであった。
 今まで見聞している九五の尊位というものは、決してただ今のような気楽なものではないらしい。凡庸(ぼんよう)なわが身ふぜいでは到底むずかしい、とそうきっぱり御辞退申し上げようかかと思わないでもなかった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)572

        八月を蹴り上げてゐる赤ん坊

  ボクの細道]好きな俳句(1637) 種田山頭火さん。「うどん供へて、母よ、わたくしもいただきまする」(山頭火) 母の47回忌に「うどん」をひとりいただき、母に供養する気持ち詠んだ作品だそうです。山頭火さんの母は、彼が10歳のときに、実家の井戸で投身自殺をしたと伝えられています。 「月光王菩薩のふりつづみ 十方世界に響かせり」(梶原重道『菩薩曼荼羅』)

 豚(ぶた)と真珠 2 それでなくとも漬物樽(つけものたる)のような形をした腹を、もっと丸くすることより考えていない。天気がどうであろうと、そんことは一向お構いなしである。