木魚歳時記 第3880話

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(三)紀の二位朝子は、もと待賢門院にお仕えして二の宮の乳母になったのだが、その純情可憐に美しい人がらは、後宮の複雑な勢力争いの間にあっても、何人にも憎まれることがなかったのでも知られる。
(佐藤春夫『極楽から来た』)564

          和尚さてつかみ損ねし雨蛙 

 「ボクの細道]好きな俳句(1629) 種田山頭火さん。「何でこんなにさみしい風ふく」(山頭火) 旅に疲れた山頭火さんが、住処とする草庵をつくるころに書かれた作品とされます。このころ、種田山頭火さんは不眠に悩まされ、悪夢に苦しめられていたとも伝えられています。 「徳蔵菩薩の笙のおと 十八不共の響きあり」(梶原重道『菩薩曼荼羅』)10

 驢馬(ろば)4 彼らは堀のなかで食事をする。主人は食い残しの玉葱(たまねぎ)を食い、驢馬は勝手に好きなものを食う。
 彼らはが帰る時は、もう夜になっている。彼らの影が、樹(き)から樹へ、のろのろと通り過ぎて行く。