木魚歳時記 第3865話

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   下野はきのかみとこそ成りにけりよしともと見えぬかけつかさかな
 という落首を書きつけた者があった。きのかみは紀の守と木の上とをかけたのはいうまでもない。かけつかさ(掛司)な任官の意である。こんな歌としてはまことにそつのないでき栄えと評判が高く、きっと九条大相国伊通公の詠であろうとのとりざたが専らであった。伊通は法然の師叡空の父で、この人は平治の乱後、宮中で論功行賞を評議した時、「人を殺したのが手柄なら御所の 井戸が一番の勲功」と皮肉な放言をして人々を笑わせたとも伝わっている。
(佐藤春夫『極楽から来た』)549

        僧堂の縁に真っ赤な蛇苺  縁(へり)

 「ボクの細道]好きな俳句(1614) 種田山頭火さん。「笠にとんぼをとまらせてあるく」(山頭火)。早稲田文科の頃から彼の文学的才能は学内で認められ、小川未明か種田山頭火かとも称せられたと伝えられています。* 常と見えるものも みな尽きる 高ききにあるは 必ず落ちる 出会いがあれば 別れが来る 生あるものは 死ぬ(ブッダ)

 牡牛(おうし)5 なんでもない時は、そえれこそ仔羊(こひつじ)よりもとなしいが、何かのはずみで、いきなり猛烈に暴れ出す。で、そばにいると、いつどんな目に会うかもわからない。
 釣師は、横目で彼の様子を観察する。