木魚歳時記 第3862話

f:id:mokugyo-sin:20190723064212j:plain

 源氏の軍は鴨川河原を西に退いたままついえ去り、二十六日朝からの合戦も夕刻に終わった。
 日本第一の不覚人は、上皇にすがって清盛に一蹴され、更に重盛にすがったが河原に斬られ、兄弟も子もみな解官断罪された。
 一味の成親は捕らわれたが、妹が重盛の妻であったため、首謀者でないという理由で死を免れ重盛に預けられた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)546

       犬いつぴき丸洗ひして風光る

「ボクの細道]好きな俳句(1611) 種田山頭火さん。「分け入っても分け入っても青い山」(山頭火)。「彼の句は難解でない。そういう意味では易しいのだが、では、その句のどこがいいのか、それを語ろうとするとにわかに難しくなる」(坪内稔典)。童謡詩人の金子みすゞさんと山頭火さんは別格だと思います。読者がそれぞれの感覚で自身の心の芯を「ぎゅつ」と握られた思いに引き込まれたらそれでいいのです。 陶器づくりは粘土をこねて器をつくるけれども すべては いつか 壊れてゆく 人のいのちもそのようなものだ(ブッダ)

 牡牛(おうし)2 彼は素っ気なく釣り糸を投げ込み、それをまた悠々と引き上げる。
 新しく場所を変えるたびに、そこが一番いい場所のような気がする。が、しばらくすると、またそこを離れて、生垣に渡してある梯子(はしご)を跨(また)ぎ、牧場から牧場へ移って行く。(注記:7月23日はブログを2話載せました)