木魚歳時記 第3817話

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 高野に来てみると山風は途中の川風よりもなお寒くて、山では峰も林もかきくらして雪がふり出して来た。ふりしきる雪のなかで隆信はふと吉祥天女か何かが天降ったかのようにすんなりと立って一糸をもまとわぬ女体を幻に見た。隆信は同行の人々をはばかって、あたりを見まわした時、
(佐藤春夫『極楽から来た』)505

        炎昼のカルピスソーダ202

 「ボクの細道]好きな俳句(1567) 今井千鶴子さん。「何もかも何故と聞く子と夕焼見る」(千鶴子) 子どもは、何を見ても、何にを聞いても、つまり何が起きても「何でや・・」と問いかけるものです。そうして学んで行くのでしょう。夕焼けを見て「何で赤いのんや?」そう問われても困ります。この世の中「なんでや?」の如何に多いことか! これを取り上げて成功したテレビ番組が「チコちゃんにしかられる!」(NHK土曜)です。

 孔雀(くじゃく)4  レオン !  レオン !
 こうして花嫁を呼ぶのである。何ものも姿を見せず、誰も返事をしない。庭の鳥たちももう慣れっこになっていて、頭をあげようともしない。そういつまでも感心ばかりしてはいられないのだ。彼は中庭に降りてくる。誰を恨むというでもない。それほど自分の美しさを信じている。