そのため遺骨を捧持(ほうじ)して船の上座にすえられている弱年の隆信には終始窮屈な思いであった。
それだけに隆信の感激も悲嘆も大きかった。明けゆく曙のあかねの色の雲も、船ばたを打つ川浪の音も、わけても耳や鼻さきに痛い十二月の水の面を渡って来た朝風が彼の悲愁となって、この若者の身にしみた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)503
青鷺のそしらぬふりや糞を放る 糞(まり)
「ボクの細道]好きな俳句(1565) 今井千鶴子さん。「虚子の亡き立子の日々や立子忌」(千鶴子) 星野立子さんは、実生活はもとより、俳句の世界でも、虚子に可愛がられて育てられたそうです。虚子さんは、立子さんの創作に非凡なものを感じられていたからでしょう。さて、ゴイサギ(五位鷺)は、たいていぽつんと一羽でいます。なんとなく「感じ」がボク自身と似ていませんか?(笑)。写真は近くの水路で撮りました。しかし、こんなのが群れていたら気色悪い(汗)。
孔雀(くじゃく)2 意気揚々と、インドの王子然たる足取りで、彼はそねあたりを散策する。新妻への数々の贈物は、ちゃんと身につけて持っている。愛情がその輝きを増し、帽子の羽織りは竪琴(たてごと)のように震えている。