木魚歳時記 第3809話 

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 しかし九歳で介に任じられ、それも遥任(ようにん)でゃなく現地に赴いている。つづいて十一歳で守になるような順調な昇進は、その上役や下役がこの可憐な少年をよくいたわって任務に尽くしたからに違いないが、その事はただ、家柄のせいばかりではなく、そんな少年でありながら、隆信はりっぱに一人前の仕事のできる才能であったものと思われる。
 事実、十歳前後でのその任官の途上でものしたという歌詠などを見てもすでに一人前の詠み口を見せている。
(佐藤春夫『極楽から来た』)497

        極楽のごとき八十八夜かな  

 「ボクの細道]好きな俳句(1560) 石原八束さん。「夕焼けは羅殺の兵を天におく」(八束) 「羅刹」(らせつ)は、仏教説話に登場する、足が速くて大力の悪鬼のことです。ついにはブッダ(釈迦)に帰依して守護神に変わります。夕焼けの見事さを眺めていると、作者は、この「羅刹」(らせつ)の率いる軍隊を連想したというのです。作者の発想力の奔放さに敬服いたします。

 鳩(はと)4 そこの二羽が互いに夢中になって挨拶(あいさつ)を交し、そして突然、互いに絡(から)み合うように痙攣(けいれん)するにしても・・