木魚歳時記 第3807話 

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 隆信は九歳のころには上野介(こうずけのすけ)に任じられ、つづいて越前守となり、仁平(にんぺい)二年十二月には十一歳である。そんなに幼少に任官されるのは、その家柄に応じての当年の風習で別に不思議もないが、仁平三年四月、十二歳の彼が若狭守に転任しているのは、もしや、美福門院がこの少年が母とめぐりあう機会のありそうな地に送る心づかいに出たはからいであったのではなかろうか。別にその証拠とてないけれども。
(佐藤春夫『極楽から来た』)495

        六月は獲りたてアユの炭火焼

 「ボクの細道]好きな俳句(1558) 石原八束さん。「くらがりに歳月を負ふ冬帽子」(八束) 山村の暮しの風景が浮かびます。農作業の道具とか作業の衣服にまじり、柱にかけた古びた冬帽子。ああもうどれくらい使い古してきたことでしょうか。家人の寝静まった暗がりの中で、冬帽子がポツリと掛けられています。さて、世の中これからどのようになるのか! 最近「ほどほどに」という言葉がボクの心を占めるようになりました。あっ、気づくのが遅すぎたか(笑)

 鳩(はと)2 彼らの落着きのない頸(くび)は、指に嵌(はめ)たオパールのように、生きたり、死んだりするにしても・・