木魚歳時記 第3802話 

f:id:mokugyo-sin:20190525060439j:plain

 この高貴な美女は生来特別の子供好きであった。さればこそ義理の子雅に新王が大納言経実の女に生ませた守仁をも進んで引き受け、手しおにかけ喜んで育てた。その時は将来この子を天皇になど野望のもない無償の行為であった。
 いま為経の子の話を知って悲しんだのは、この子供好きの本性にもよるが、他にも少し理由があった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)492

         夏めくや犬が三匹じゃれている

 「ボクの細道]好きな俳句(1553) 石原八束さん。「湯豆腐やいとぐち何もなかりけり」(八束) 何か面倒なことが起こりましたか? 家族か、仲間同士か、数人が湯豆腐をつつきながら、いいチエが出ないか額(ひたい)を寄せています。さて、ベランダには「金の生る木」(写真)もあります。ラッスラ・ポルツラケア(花月)という名前だそうです。それにしても、つつましく暮らす寓居に「金の生る木」とは(笑)

 小紋鳥(こもんちょう)4 そんな風で、頭を青く染め、ちょび髭(ひげ)をぴくぴくさせ、いかにも兵隊好きらしく、彼女は朝から晩まで独りでぷりぷりしている。そうして理由もなく喧嘩(けんか)を吹きかけるのだが、多分、しょっちゅうみんなが自分のからだつきや、禿(は)げ上がった頭や、へんに下の方についている尻尾(しっぽ)などを笑いものにしているよいな気がすのだろう。