木魚歳時記 第3799話 

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 もとの同僚の加賀やよく見知っているその良人(おっと)はいわば一種の職場結婚である。同じ職場の人々がその結婚のなるゆきを特別の興味を持って絶好の話題にするのは、はしたない話ではあるが、もっともな次第であった。
 それは嫉妬心(おんなごころ)にも似た一種の敵意から加賀に対する多少の非難めいたものを含む虚実相半ばしたものであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)490

       牛蛙こんなところにいたんだな

「ボクの細道]好きな俳句(1550)  岩淵喜代子さん。「箸置きを据ゑて箸置く薄暑かな」(喜代子) 「箸置きに」「箸置く」とたたみかける発想が素敵です。また、(は)音をならべて、軽快な調べを醸すところが軽妙です。さて、ボクは、寓居に隠棲して5年近くになります。地べたの感触とか、外気温を肌で感じることが少なくなりました。ですから「薄暑」という微妙な季節感に疎くなったような気がします(汗)。

 小紋鳥(こもんちょう)1 これは私の家の庭に住む佝僂女(せむしおんな)である。彼女は自分が佝僂(せむし)のせいで、よくないことばかり考えている。