木魚歳時記 第3794話 

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 為経がふたりの兄におくれて出家したのは官位が兄たちよりいくらか順調であったためではなく、三つの子の異常な才気と女児にもしたいばかりの美しいのに執着したためである。
 それにもかかわらず、為経は童女のようにしおらしい細君加賀の嫉妬深さに愛想をつかして、はじめはしばらく別居生活をするつもりで大原に来た。
(佐藤春夫『極楽から来た』)485

        ふらここや到達点は俺のもの   

 「ボクの細道]好きな俳句(1545) 岩淵喜代子さん。「かはほりのうねうね使ふ夜空かな」(喜代子) 蝙蝠(かはほり)が夕空に飛翔するときは、まさに「うねり」のごとくです。さて、ボクは、わがままです。悪い意味の「唯我独尊」です。妻、家族、知己の方々にずいぶん迷惑をかけたと思います。いまさらがら反省しています。懺悔(さんげ)しています。「雪のうちに仏のみ名を称ふれば積もれる罪ぞやがて消えぬる」(法然上人) 

 七面鳥(しちめんちょう)1ー2 ほかの鳥たちは、暇さえあれば、めったやたらに、食べてばりいる。ところが、彼女は、ちゃんと決まった時間に食事をとるほかは、絶えず姿を立派に見せることに浮身をやつしている。羽には全部糊(のり)がつけてある。そして尖(とが)った翼の先で地面に筋を引く。自分の通る道をちゃんと描いておくようだ。彼女は必ずその道を進み、決してわきへは行かない。