木魚歳時記 第3791話

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 彼らの父為忠朝臣も参河守、丹後守などの地方官を永くつとめてのち、木工頭、皇后宮少進に昇った人で、また『金集』『千集』、『新古今』などの勅撰積む、歌人でもあった。為忠には多くの子があったなかで、次男の為業、三男の頼業、四男の為経の三人がすぐれていた。
 彼らはともに父ゆずりの文学的才能をゆたかに恵まれていた。父は巧みなアマチュアであったが、子らは本筋の詩歌人であった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)482

        豹柄のアロハまとひしお婆さん

「ボクの細道]好きな俳句(1542) 岩淵喜代子さん。「芸亭の桜紅葉のはじまりぬ」(喜代子) 芸亭とは、お茶屋の「きれいどころ」が、習い事を積む歌舞練場(かぶれんじょう)のようなものを指すのでしょうか? 廊下を隔て、中庭の枝垂れもみぢが真っ赤に色づき、その鮮やかな照りがお座敷の隅々にまで届いていたのでしょう。
 
 鵞鳥(がちょう)6 彼女は嘴(くちばし)で風を切り、羽をぴったりとくっつけて、道の上をぐんぐん歩いて行く。女たちは、すれちがっても、こいつを止める勇気がない。気味の悪いほど速く歩いているからだ。