木魚歳時記 第3786話

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 それにしても、『誓願寺縁起』にいうとおり、
「ひたすら好色を本として、露命のあえなきをおもわず、愛欲を心として、将来の恐あることをしらず、ただ春の日にたわむれ、おもいを秋の月によせ、花鳥の遊宴にのみ心をつくし、栄を朝恩にきわめ」ていた藤原氏の人々も、一たび『往生要集』を手にしてはじめて抄録ながらもじかに経文の文句はなはだ清奇な文章をよろこび、更にすすんでは『摩訶止観』をまで手にしてみようという気になった。そうして『摩訶止観』の文の幽玄深遠なのに打たれた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)478

       獲れ立ての筍ならべ旧国道

 「ボクの細道]好きな俳句(1537) 岩淵喜代子さん「日と月と音なく廻る走馬燈」(喜代子) 回り灯籠(とうろう)が音なく回る。これはしかるべき場所に行けば今でも見ることが出来るかも知れません。しかし、音なく迴るのは、回り灯籠だけでなく「日と月」も同じである。すなわち、この宇宙全体が一種の走馬燈みたいなもの・・ここまでくれば発想の偉大さに圧倒されます。

 鵞鳥(がちょう)1  チェンネットも村の娘たちとおんなじに、パリへ行きたいと思っている。しかし、その彼女が鵞鳥の番さえできるかどうか怪しいものだ。