木魚歳時記

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木魚歳時記 第3750話 

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   第九章 ひじりたち

(一)保元の乱というのは、単純に見れば美福門院と待賢門院の亡霊との争いである。それに高陽院の進退によって派生した摂関家の不和が加わって事面倒になった。みな鳥羽天皇のおん色好みのいたすところである。
 生きているだけに美福門院の勝ちであったが、亡霊に遠慮する意味のあった中間的存在の雅仁新王に別の利用価値もあって、後白河天皇が浮かび上ったのである。
(佐藤春夫『極楽から来た』)444

        春風の来てトントンと戸を叩く 

 「ボクの細道]好きな俳句(1500) 阿部完市さん。「夏終る見知らぬノッポ町歩き」(完市) 阿部完市さんの俳句はうかつには読めません。なぜなら、独創的ですしさらに発想が飛躍するところがあるからです。ですから、注意深く読むつもりですが、独断が過ぎるところはご容赦ください。掲句はなんのこともない。海外(外国人)の街ですから、自分以外は、皆、背が高い・・

(序)影像の狩人2 彼はただしっかりと眼をあけてさえすればいいのだ。その眼が網の代わりになり、そいつにいろんなものの影像(すがた)がひとりでに引っかかって来る。 最初に網にかかる影像(すがた)は、道のそれである。野梅と桑の実の豊かに実った二つの生垣に挟まれて、すべすべした砂利が骨のように露出し、破れた血管のように轍(わだち)の跡がついている。