木魚歳時記 第3707話 

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 法然は先師の死が身に迫るのをおぼえてひとり四明岳(しめいがだけ)の頂上の岩によじ登り、彼は将門とは全く別種の感懐を抱いてここに立った。もと山中に人となって自然を愛する人であったが、今は白雲も紅葉も彼を慰めなかった。彼はこの時この笹原の斜面の底に展開した黄塵(こうじん)のなかに埋(うも)りうごめく人間を憫(あわ)むばかりであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)404

        凍鶴をまた見に来たら歩いてる

 「ボクの細道]好きな俳句(1458) 矢島渚男さん。「黒塗りの昭和史があり鉦叩」(渚男) 「黒塗りの昭和史」からは、辛い戦争の記憶が伝わります。「鉦叩」(かねたたき)は、チンチロリンの虫ではなく、寒中念仏、すなわち、行脚(あんぎゃ)修行(冬季)でありましょうか? さて、セミのおしっこ(2)。クマゼミのオスは、S氏を狙っておしっこをかけたのではないでしょう(笑)。樹液の残りカス(水分)を排泄して(身を軽くして)つぎのメスを求めて飛び立った(そう思います)。ボクも、そろそろ、ボクの煩悩となる「こだわり」を捨て、心さわやかにお浄土へ旅立つ準備をしなくては(汗)。