木魚歳時記 第3678話 

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 当時、宮廷は多事で用度が欠乏のため、最勝講や仁王会など吉例の仏事も延引がちとなっていたし、法勝寺などの貴族寺院も衰退の一途をたどっている反面、市の聖(ひじり)の寺院や、由緒ある民間の仏閣が庶民結縁(けちえん)の霊場となる傾向が著しかった。なかでも清涼寺の釈迦堂などは屈指のものとして世の有信者を多く集める場所であった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)377

       姫始おいけとばすなけとばすな 

 「ボクの細道]好きな俳句(1429) 真鍋呉夫さん。「親殺し子殺しの空しんと澄み」(呉夫) 「親殺し子殺し」とは? 強烈なインパクトを示して比類のない作品です。さて、「ひめ始め」の季語には諸説があるようです。新年2日、姫飯、すなわち、姫(ひい)がお食い始めになる飯(いい)のこと。飛馬始(ひめはじめメ)を語源とする説。乗馬始(ひめはじめ)の日とする説。姫糊(初洗濯)などなどです。S氏の最大関心事となる「姫始」(ひめはじめ)つまり「秘め事始め」は、諸説の一つにしかすぎません。ウッ。