木魚歳時記 第3660話

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 この地とこの師とによって、法然房はまことに楽しい毎日で、月日の経つのも忘れるほどであったのに、彼の心の一隅には、また一抹の黒雲が起こってそれが刻々にひろがって行くように見えた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)361

       死ぬによき八十五歳シネラリア

 「ボクの細道]好きな俳句(1411) 正岡子規さん。「いくたびも雪の深さを尋ねけり」(子規) 代表作です。ターミナルの寝床で、身近の者に、幾度となく外に積もる雪のことを尋ねた・・作者の心中を察することあまりあります。さて、報道などで知る限り、わしたちの社会に「格差」の生まれる現実は『神も仏もありませぬ』(佐野洋子)では済まされない深刻さを増しています。高齢者、弱者に対する展望は予断を許しません。