木魚歳時記 第3625話

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 弟子入り少年の方でも、山の生活二年間の間に、だいたい山の事情にも察しがついて、この地は永く居るべきではない、むしろこんな山を立ち出で人知れぬ地に隠れてひとり修行した方がよいのではあるまいかとも考えている心持を、
(佐藤春夫『極楽から来た』)326

      まくなぎに一匹分の重さかな

 「ボクの細道]好きな俳句(1376) 秋元不死男さん。「吸殻を炎天の影の手が拾ふ」(不死男) この作者は心象作品が得意なのでしょうか。吸い殻を拾う「モク拾い」は死語と化しつつあるようです。が、しかし、少しでも長めの吸いサシを求めて、モクを拾う姿は懐かしい。影としたところに詩情が生まれました。