木魚歳時記 第3588話

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 かの少年の僧を乗せた船は兵庫の港を出ると、大物(だいもの・今の尼崎)、神崎、江口を経て淀から京都は鳥羽の造り道に向かうのであった。海の波も川浪も、空の雲とともに昨日も今日も日ねもすしずかであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)291

      蟻地獄なむあみだぶつなむあみだ

 「ボクの細道]好きな俳句(1338) 橋本多佳子さん。「夫恋へば吾に死ねよと青葉木菟」(多佳子) 大好きな女流作家です。その作品も好きですが、容貌(写真)もみんな好きです。夫(つま)に先立たれ、一人寝の淋しさに亡き人のことを思い出す作者。「吾に死ねよ」と鳴く青葉木菟(あおばずく)が効いています。