木魚歳時記 第3576話

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 用意万端はできていたからただちに出発となり、従者は右手に馬の口を取り、左手に騎者を抱き上げて馬の背に押しやる。馬上の少年と見送る母や師匠、里人たちと見上げ見下ろしつつ、尽きぬ別れを口々に短く交わしている。
(佐藤春夫『極楽から来た』)279

      いまのあれ夏の夜汽車の汽笛だろ

 「ボクの細道]好きな俳句(1326) 山口誓子さん。「長時間ゐる山中にかなかなかな」(誓子) 独り山中にあって、ときおり聴くのはカナカナ蝉の声のみ・・何か、悟りきった禅坊主でもなったような気がいたします。これと対照的に、爺さんになっても桃尻の娘に目線のゆく某氏Sなど、軽薄短小・下品下生(げぼんげしょう)の標本です。「かなかなに釣られてたどる桃源郷」(木魚)