木魚歳時記

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木魚歳時記 第3572話

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  母子、姉弟、叔姪の三人で、なつかしくいまわしいこの座敷に、来し方行く末をそぞろに語りつづけた。亡き人が遺愛の八重ざくらはまさに満開でくれなずむ夕影にあやしく、あでやかに、夜に入っては雪解けの山水が屋をめぐって昔を語りがおに鳴りひびいた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)275

      風の子の来て風船をくれといふ

 「ボクの細道]好きな俳句(1322) 山口誓子さん。「学問のさびしさに堪へ炭をつぐ」(誓子) 書斎で書物に埋もれ、学問にふける孤高の哲学者の姿を思い浮かべます。仏教真理の追究に生涯をささげられた尊敬する小笠原秀實先生のお歌「足跡の残らば残れ足跡の消えなば消えね一人旅ゆく」を思い出しました。小笠原秀實先生には「さびしさに堪へ」の措辞はあたらないように思います。