木魚歳時記

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木魚歳時記 第3555話

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 一を聞いて十どころか、百も知ろうかというお人です。実は、はじめ兄上が勢至丸(せいしまる)とご命名になったのを、もったいないと思ったものでしたが、今ではよくもおつけになったと感心して、わたくしは文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の再来かたとも考えているほどです。
(佐藤春夫『極楽から来た』)258

      薬湯に尻から溶ける雪坊主

「ボクの細道]好きな俳句(1305) 柿本多映さん。「着飾りて水陽炎の中にゐる」(多映) 「陽炎」(かげろう)は、地表が太陽で熱せられその温度差で光の屈折がうまれモノが揺らいで見える現象をいいます。さて「水陽炎」とは? 水面の反射光で水の縁(ふち)や周囲の壁面などがゆらめく現象を言うでしょうか? それはともかく、「水陽炎」とは美しいことばです。せいいぱいに着飾り、汀(みぎわ)のゆらめきにたたずむ作者の姿が浮かびます。