木魚歳時記

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木魚歳時記 第3459話

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 童子は彼の心を襲う何とも知れないものは、母を慕い亡き父をなつかしく一念で、やがて寄るべのないおのれの孤独感であるということを、この大きな風景を前にして弓削や稲岡の黄ばんだ田の面を刻々にうすれ行く夕日かげを見ているうちに追々と気づいた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)161

      百畳にぽたりと落ちる法師蝉 

 「ボクの細道]好きな俳句(1209) 藤田湘子さん。「琴の音や片蔭に犬は睡りつつ」(湘子) 「片蔭」は夏の季語です。さて、犬が眠るとは! 格子の外の街路。家の庇がつくる片かげりの涼しいところで寝そべる犬、格子の中から娘さんが奏でるのでしょうか琴の音がもれてきます。