木魚歳時記 第3444話

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 師匠はこの小さな弟子のために仏典のほか経書をも読み授けて儒学の一端をも学ばせた。師匠はこの弟子に読書力を与えるに当たって解読には特別に小やかましく、一字半句のあいまいをも見逃がさなかった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)147

      をんどりの鳴きてひなげし火の色す

 「ボクの細道]好きな俳句(1194) 辻 桃子さん。「青嵐愛して鍋を歪ませる」(桃子) 「青嵐」の季語から察して、「鍋を歪(ゆが)ませる」は、たぶん比喩(情事)かと思います。ただの食事風景ではないでしょう? 「ストーブを蹴飛ばさぬやう愛し合ふ」(櫂未知子)。これほど露骨でないのが、桃子さんの作品らしくて好きです。