「こうしてそなたの足をきたえさせておくのだ。わしはそなたを立派な輿(こし)や車に乗る高僧にならせたいとは思っていない。わらじがけてひとり野山や村里をどこまでも思いのままに歩きまわる市(いち)の聖(ひじり)にしたいのだ。
(佐藤春夫『極楽から来た』)141
山滴る草木虫魚みな仏
「ボクの細道]好きな俳句(1188) 辻 桃子さん。「味噌たれてくる大根の厚みかな」(桃子) 味噌を塗った、熱々の大根炊きをいただくときはちょっとした工夫がいります。ミソが垂れる、大根は熱くて喉を通りそうにない・・だれにでもあるような出来事をさらりと詠うには、それだけの観察力と表現力が求められます。凡人にはなかなか出来難いことです。