採ったものを童子に持たせ従えて一しょに散歩することが時々あった。童子もそれを喜びたのしみにしている様子に見えた。それにしてもその時でさえ、観覚は何らなつかしげなことを語り出すでもなく、
(佐藤春夫『極楽から来た』)140
仏塔の口ひらきたる花の昼
「ボクの細道]好きな俳句(1187) 辻 桃子さん。「右ブーツ左ブーツにもたれをり」(桃子) 玄関にブーツが脱ぎ捨て置かれている。ブーツの右足分が左足に当たる側に折れてもたれていた。ただ、それだけのことです。しかし、なるほどそういえば、そんなこと見かけた記憶が・・読者にそう思わせれば作品は成功です。